Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」では、サイバーセキュリティ業界の100個の非指名質問とGeminiの回答を分析しました。非指名質問とは、特定の企業・サービス名を原則として含めず、希望条件から候補を尋ねる質問です。NRIセキュアテクノロジーズは「診断・監視運用」では5/11回答、「メール・Web保護」では0/11回答に登場しました。全体の登場数だけでなく、質問の目的と紹介された役割を分けることが、企業の露出を読む手掛かりになります。調査に用いた質問・回答と名称の言及状況は、サイバーセキュリティ業界の現状分析レポート(2026年10月)で確認できます。

調査概要

対象は、会社やサービスを選ぶ段階から、条件の確認、相談、利用の申し込みまでを含む質問群です。利用者が求める作業に応じて、候補名がどのように紹介されるかを確認しました。

項目

確認した内容

調査主体

Queue株式会社/LLMOナビ

対象領域

サイバーセキュリティ業界

対象AI

Gemini

質問設計・取得回答

100問・100回答。回答本文100件を確認

非指名の確認

100問。企業・サービスを名指しした質問は確認されず

対象地域・言語

JP・日本語

検索に関する記録

検索発火41件/事前学習59件

 

この調査は取得したGeminiの回答を対象とし、市場シェア、サービスの品質、利用者の満足度を測ったものではありません。質問のテーマ構成によって登場数は変わり、他のAIや実際の検索需要を代表するものでもありません。ここで紹介する数値は、今回の質問群における観測です。

本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方

「参照元」は、回答とともに記録されたWebページです。「本文言及」は、回答本文に企業・サービスの名前が出ることを意味します。「推薦」は、利用や依頼、相談などの候補として提示されることです。名前が注意の説明や比較の例に出ただけの場合は、推薦と分けます。

「出現回答率」は、対象の名前が1回以上出た回答数を、対象回答数で割った割合です。1回答で同じ名前が繰り返されても1件とします。複数の名前が同じ回答に出るため、企業別の率を足しても100%にはなりません。この記事の全体比較は、以下の表に示す五つの名称を対象にした本文登場の集計です。すべての企業・サービスを網羅した業界順位ではありません。

調査結果の全体像

五つの名称を同じ100回答で確認すると、トレンドマイクロが21/100(21.0%)、NECが18/100(18.0%)に登場しました。これは会社やブランドの規模の順位ではなく、今回の回答内で確認した名称の頻度です。

 

集計した名称

本文登場/100回答

トレンドマイクロ

21/100(21.0%)

NEC

18/100(18.0%)

大塚商会

17/100(17.0%)

富士通

17/100(17.0%)

NRIセキュアテクノロジーズ

11/100(11.0%)

 

出典:Queue株式会社「LLMOナビ サイバーセキュリティ業界 AI検索可視化調査」(今回取得した100回答/2026年10月制作版)

名称の粒度もそろえて読む必要があります。個別の製品名、会社名、比較窓口の名称は、同じ実体とは限りません。省略された表記を個別製品へ無条件に足し込まず、専門プランや別サービスも区別しました。そのため、表の数字は明示した名称に対する比較であり、包括的なブランド認知をすべて表すものではありません。

サイバーセキュリティ業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント

Queue株式会社のLLMOナビによる今回の分析では、選ぶ目的の違いと、候補を紹介する役割の違いが確認できました。まず全体の本文登場数を見たうえで、どの質問群で出たかを確かめると、名称の頻度だけでは見えない紹介の条件を整理できます。

集計対象の五つの名称について、いずれも本文に出ない回答は52/100、1名称が出る回答は24/100、2名称以上が出る回答は24/100でした。1回答あたりでは平均0.84名称、中央値0名称です。これは五つの名称の範囲で測った数字であり、回答に登場したすべてのサービス数ではありません。

質問を本文の主な要求から分類すると、次の分布になりました。所在地や相談の条件を尋ねるものと、特定の機能・作業を尋ねるものを区別しています。NRIセキュアテクノロジーズはすべてのテーマで一様に登場したわけではありません。

 

質問の主テーマ

質問数

NRIセキュアテクノロジーズの本文登場

選定・費用・支援範囲

10

0/10(0.0%)

地域・拠点支援

7(少数例)

1/7(14.3%)

企業規模・業種

7(少数例)

1/7(14.3%)

端末・ネットワーク

18

1/18(5.6%)

メール・Web保護

11

0/11(0.0%)

クラウド・認証

12

1/12(8.3%)

情報漏洩・バックアップ

7(少数例)

0/7(0.0%)

診断・監視運用

11

5/11(45.5%)

事故対応・訓練

9(少数例)

2/9(22.2%)

試用・見積もり・契約

8(少数例)

0/8(0.0%)

 

出典:Queue株式会社「LLMOナビ サイバーセキュリティ業界 AI検索可視化調査」(今回取得した100回答/2026年10月制作版)

NRIセキュアテクノロジーズは「診断・監視運用」と「メール・Web保護」で登場率が異なる

「診断・監視運用」に分類した11問では、NRIセキュアテクノロジーズが5/11(45.5%)に登場しました。「メール・Web保護」の11問では0/11(0.0%)で、差は45.5ポイントです。全体の11/100(11.0%)だけを見る場合とは、紹介される場面の解像度が変わります。

この差が示すのは、今回用意した質問群の中で、名前が出た場面に偏りがあったことです。対象のテーマには複数の用途や条件があり、質問の語句だけを入れ替えて比較した実験ではありません。テーマ名の言葉をページへ追加すれば同じ率で推薦される、という因果関係を示すものでもありません。

担当者は、自社が届けたい利用場面と照らし、候補として紹介されている質問を先に確認できます。名前の出なかった回答も、別会社を紹介したのか、比較方法や条件確認を案内したのかで意味が違います。特定テーマの低い登場率を、サービスの能力不足や市場での弱さと判断せず、回答が何を求めていたかへ戻ることが必要です。テーマの質問数や利用条件が次回も同じ場合に初めて、登場率の変化を同じ尺度で比べられます。

事故調査とバックアップ構築では、紹介される支援の役割が異なる

侵入経路の調査と再発防止を尋ねる回答では、トレンドマイクロ、富士通、NECが、導入済み製品との関係を条件にした相談先として紹介されました。バックアップ構築を尋ねる回答では、大塚商会、富士通、NECなどが構築支援の候補に挙がっています。会社名が同じでも、事故発生後の解析と、平時の構築支援では利用条件が異なります。名前の登場だけで自社の求める対応範囲に合うと判断せず、どの作業が、どの前提で候補として説明されたかを記録する必要があります。記事が確認したのは回答の紹介構造であり、個別会社の緊急対応能力や対応契約を保証するものではありません。

 

質問の要点

回答内で確認した役割

侵入経路の調査と再発防止の提案まで対応しているところは?

トレンドマイクロ・富士通・NEC:製品条件付きの相談候補

ランサムウェアに備えたバックアップ構築を支援する会社は?

大塚商会・富士通・NEC:構築支援の候補

 

出典:Queue株式会社「LLMOナビ サイバーセキュリティ業界 AI検索可視化調査」(今回取得した100回答/2026年10月制作版)

この二つの回答例は、紹介された役割を読むための例であり、全100回答の推薦率を示す表ではありません。条件付きの候補、検索・相談の窓口、背景説明、注意対象を区別して記録すると、名称の登場数が同じでも読者へ与えられた案内の違いを確認できます。

参照元は308行、本文の候補とは別の単位で残る

検索発火と記録された回答は41/100(41.0%)でした。参照元一覧には308行があり、URLの文字列で重複を除くと285件、記録されたドメインは204種類でした。同じページが複数の質問や同じ回答に再登場するため、これらは同じ指標ではありません。

 

参照元ドメイン

記録行数

登場回答/100

aspicjapan.org

11

9/100(9.0%)

itreview.jp

10

9/100(9.0%)

it-trend.jp

6

5/100(5.0%)

josis365.com

6

6/100(6.0%)

liskul.com

6

6/100(6.0%)

 

出典:Queue株式会社「LLMOナビ サイバーセキュリティ業界 AI検索可視化調査」(今回取得した100回答/2026年10月制作版)

記録行数が最も多かったドメインはaspicjapan.orgで、11行でした。ただし、同じ回答内を1件にまとめると9/100(9.0%)です。11という行数を企業の推薦回答数や、本文のNRIセキュアテクノロジーズの登場数と同じ意味で比較することはできません。表のドメインも、名前の表記だけで公式サイトや独立した比較媒体と認定したものではありません。

参照元の一覧があることと、そのページの情報がどの本文記述を支えたかは別です。推薦の箇所とページの対応が確認できなければ、どのサイトが候補登場を生んだかは確定できません。企業の担当者は、自社ページが記録された質問から本文を読み、利用候補として出たか、説明の背景に使われたかを順に確かめられます。参照元に残る回数を増やす施策が、推薦の増加につながったかは、条件をそろえた追加観測で検証する仮説です。

AI検索対策で次に検証すべきこと

今回の結果を使う際には、全体の本文登場、テーマ別の登場、回答内の役割を一組にして確認できます。自社の名称が出た回答では、実際にどの用途の候補として案内されたかを読みます。出ていない回答では、質問が求める作業を他のサービスや窓口が担う説明になっているかを確かめます。

公開情報を点検する場合は、今回確認した質問の条件に答える説明があるかを見ることが出発点です。対象者、対応する作業、利用条件、問い合わせ先を、読み手が確認できる形で示せるかを検証します。別のサービスや専門プランを扱う場合には、その違いも分かる状態が必要です。情報を更新したことが回答の変化に結びつくかは、質問と実行条件をそろえて追う検証課題です。

調査方法としては、入力質問の本文を回答と照合し、同じ回答内の名称は重複を除きました。質問テーマは一問に一つの主分類を付け、テーマ別の率にはその分類の回答数を使っています。複数候補を含む質問や似た質問もあるため、100回答を100人の独立した選好とみなしていません。調査主体はQueue株式会社のLLMOナビです。

Queue株式会社の無料現状分析|AI検索での自社・競合の露出を可視化

今回のサイバーセキュリティ業界の分析と同様に、企業ごとのAI回答内の名称の登場と、情報源として記録された自社サイトを分けて確認できます。無料現状分析では、事業・サービスに関連する非指名の質問に対する回答をもとに、自社と競合の露出を確認する入口を提供しています。AI検索で自社がどの場面の候補として紹介されているかを確認したい方は、Queue株式会社の現状分析をご活用ください。