Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、EC構築・決済・カートSaaSに関する100個の非指名質問をGeminiに入力しました。非指名質問とは、特定の企業・サービス名を原則として含めない質問です。Shopifyは広く登場しましたが、決済の質問では連携先として書かれる場合もありました。名称の出現数に加え、何の候補として紹介されたのかを読み解きます。

調査概要
調査の範囲と確認できた実行条件は次のとおりです。
表1 調査概要
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項目 |
内容 |
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調査主体 |
Queue株式会社/LLMOナビ |
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調査目的 |
想起形成を目的とした質問に対する名称の出現と参照元の把握 |
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対象業界・対象顧客 |
EC構築・決済・カートSaaS。ネットショップの開設、決済導入、運用改善を検討する事業者を想定した質問群 |
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対象AI |
Gemini。具体的なモデル版は不明 |
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質問と回答 |
設計100問/取得100回答/集計対象100回答。空欄0回答 |
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調査年月・非指名質問 |
2026年9月/非指名と確認した質問100問 |
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地域・言語 |
JP/日本語 |
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検索の記録 |
検索発火36回答/事前学習64回答。記録された検索クエリ101件 |
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確認できない実行条件 |
正確な実行日時、アプリかAPIか、モデル版、検索設定、会話履歴、再試行の履歴 |
出典:Queue株式会社「LLMOナビ EC構築・決済・カートSaaS業界AI検索可視化調査」(2026年9月)
取得した100回答をすべて対象としました。場所などの追加情報を求める回答も、失敗として除外していません。ファイル作成日時は、Geminiに質問を実行した時刻とはみなしていません。
本記事で使う参照元・本文言及・推薦の読み方
参照元は、回答に関連して情報源として記録されたWebページやドメインです。本文言及は、企業・サービス名が回答本文に1回以上現れた状態です。推薦は、その対象が利用、購入、相談、依頼などの候補として提示された状態を指します。名称が説明や事例に出ただけでは推薦と数えません。
出現回答率は、対象が1回以上現れた回答数を対象回答数で割った値です。同じ回答で同じ名称が何度出ても1件とし、全体は100回答、テーマ別はそのテーマの実数を分母にします。複数の名称が一つの回答に出るため、率の合計は100%になりません。
今回は推薦の役割を全件で統一判定していないため、推薦率は掲載しません。参照先と本文の個々の記述を対応付ける情報も不足しており、「本文引用の率」としては集計していません。以下は本文言及と参照元出現の分析です。
調査結果の全体像
Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、検索発火は36/100(36.0%)でした。回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリは101件で、検索発火回答あたり平均2.81件、中央値2件です。これは記録された検索の広がりを示す値で、回答の正確性を評価したものではありません。
参照URLの記録は365行あり、同一URLをまとめると344件でした。ホスト名で区別した参照ドメインは199件です。同じページが複数回答や同じ回答内に繰り返し記録された場合、URL行数ではその反復を残しています。
EC構築・決済・カートSaaS業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント
開設・サービス選びが10問、決済・回収・不正対策が14問、購入体験・販促が13問、集客・物流・運営が14問含まれます。ECカートを選ぶ質問と、導入済みの仕組みに機能を追加する質問では、同じ名称が異なる役割で登場します。本文言及の大きさを、すべて利用候補としての推薦と読み替えないことが重要です。
参照元の199ドメインのうち、URLの記録が1行だけだったものは126/199(63.3%)です。一方、URL行数の上位5ドメインが占める割合は46/365(12.6%)でした。情報源の分散を示す値であり、本文に登場したサービス数や推薦の集中度を示す値ではありません。
EC構築に関係する5サービス名称を比較対象に選びました。決済代行、制作会社、物流サービスを含む全業界の順位ではありません。
表2 確認対象5件の本文言及と指定ドメイン参照
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対象内順位 |
名称と分類 |
本文言及 n/N・率 |
指定ドメイン参照 n/N・率 |
同じ回答での共起 |
|---|---|---|---|---|
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1 |
Shopify EC構築サービス |
89/100 89.0% |
5/100 5.0% |
5 |
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2 |
makeshop EC構築サービス |
47/100 47.0% |
7/100 7.0% |
7 |
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3 |
BASE EC構築サービス |
45/100 45.0% |
3/100 3.0% |
3 |
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4 |
futureshop EC構築サービス |
36/100 36.0% |
9/100 9.0% |
9 |
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5 |
STORES ECサービス名称 |
34/100 34.0% |
3/100 3.0% |
3 |
出典:Queue株式会社「LLMOナビ EC構築・決済・カートSaaS業界AI検索可視化調査」(2026年9月)
順位は、この表に掲載した5件の本文言及出現回答数に限ります。指定ドメインとその下位ドメインを参照の対象とし、別ドメインの公式サイトまで網羅した値ではありません。共起は同じ回答に両方があった件数で、参照ページが紹介の根拠だったことの証明ではありません。
指定ドメイン:Shopify=shopify.com/makeshop=makeshop.jp/BASE=thebase.com/futureshop=future-shop.jp/STORES=stores.fun。
確認対象5件のいずれも本文に出ない回答は9/100(9.0%)でした。この値を「サービスが何も出ない回答」とは読み替えません。表に含めなかった会社、製品、窓口が登場する可能性があるためです。全名称の正規化を伴う業界全体の順位は、本記事では示していません。
表3 質問テーマごとの本文言及例
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主テーマ |
回答数 |
確認対象内での本文言及例 |
|---|---|---|
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開設・サービス選び |
10 |
Shopify 9/10(90.0%)/BASE 8/10(80.0%) |
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決済・回収・不正対策 |
14 |
Shopify 8/14(57.1%)/BASE 4/14(28.6%) |
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購入体験・販促 |
13 |
Shopify 13/13(100.0%)/futureshop 11/13(84.6%) |
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集客・物流・運営 |
14 |
Shopify 13/14(92.9%)/futureshop 11/14(78.6%) |
出典:Queue株式会社「LLMOナビ EC構築・決済・カートSaaS業界AI検索可視化調査」(2026年9月)
同じ意図に近い質問も含む観測結果です。10問未満のテーマは少数例として扱います。10問以上でも統計的な信頼性や再現性を保証するものではありません。
Shopifyは89回答に登場するが決済の質問では役割が変わる
Shopifyという基礎サービス名称は、100回答のうち89/100(89.0%)に登場しました。今回の比較対象5件では最も多い値です。ただし、Shopify PlusやShopify Paymentsだけに含まれる表記を基礎サービス名へ自動加算していません。これらの対象をまとめた企業単位の露出とは定義が異なります。
決済・回収・不正対策の14回答に絞ると、Shopifyの本文言及は8/14(57.1%)でした。クレジットカードとコンビニ払いを一括導入したいという質問への回答では、決済サービスの説明に、その連携先としてShopifyが登場しています。名称が書かれていても、直接探している決済サービスとは役割が異なります。
公式サイトでもShopifyはEC構築を扱うサービスとして案内されています。今回の89件は、その利用候補だけでなく連携・導入環境などの説明を含む本文言及です。利用、購入、依頼の候補としての推薦率は、全登場箇所の役割判定が完了していないため掲載していません。
EC事業者や提供会社は、名称が出た段落を読んで、自社サービスへの導入候補なのか、連携の前提としての説明なのかを確認できます。次回は同じ質問群で役割別の判定を追加し、言及の多さと利用候補としての登場を別指標で測ることが課題です。
購入体験の13回答ではfutureshopも11回答に登場する
購入体験・販促の13回答では、Shopifyが13/13(100.0%)、futureshopが11/13(84.6%)、makeshopが10/13(76.9%)に登場しました。futureshopは全体36/100(36.0%)ですが、このテーマでは出現率が高くなります。全体値とテーマ内の値を分ける意味がある例です。
会員登録なしでも買えるECサイトを作れる会社を尋ねた回答は、対応するプラットフォームと、その構築を扱う制作会社を説明しました。カート名は、依頼先の会社そのものではなく、制作の土台としても登場します。掲載機能の正確性や実際の対応プランは、個別の公式案内で確認が必要です。
集客・物流・運営の14回答でも、futureshopは11/14(78.6%)に登場しました。ただし、購入体験や運営の質問がまとまっていることが結果に関係した可能性があります。今回の数字から、別の質問設計でも同じ関係になるとは判断できません。
提供会社は、購入導線や運営機能を説明するページについて、標準機能、追加契約、外部連携のどれに当たるかを明示できているか点検してください。再調査では機能名を固定し、サービス名の言及と、説明内容が実際の条件に合っているかを別々に確認します。
本文の出現数と指定公式ドメインの参照数は別の顔ぶれになる
Shopifyの本文言及は89/100(89.0%)ですが、shopify.comとその下位ドメインの参照は5/100(5.0%)でした。futureshopは本文言及36/100(36.0%)、future-shop.jpとその下位ドメインの参照9/100(9.0%)です。この2件では、本文言及と指定公式ドメイン参照の多い順が異なります。
同じ回答に言及と参照がある件数はShopifyが5件、futureshopが9件でした。サイトが情報源になった範囲を確認することと、本文でサービス名が出た範囲を確認することは、別々の作業になります。参照数が少ない理由を、公式サイトの情報量や施策の成否へ直結させることはできません。
参照対象は各サービスについて指定したドメインに限ります。別ドメインの公式ヘルプなどを一律に含めた値ではありません。また、同じ公式ドメインでも複数サービスやコラムを含む場合があるため、参照されたページが直接そのサービスを推薦した根拠だとは判断していません。
運営担当者は月次で、参照元のドメイン、個別ページ、本文中の役割を併せて残してください。機能ページの修正後に参照が増えても、名称の出方が変わらなければ、別々の観測として報告できます。次回も今回と同じ集計範囲を使うことが比較の前提です。
AI検索対策で次に検証すべきこと
ECサービスの企画・開発担当者とWeb担当者が、決済連携や購入機能の案内を確認します。利用プラン、対応する連携先、追加契約の有無を明確にし、今回の質問に必要な条件が読めるかを点検してください。施策後は同じ質問文と名称の集計規則で測定し、参照元に出たこと、基礎サービス名が出たこと、導入候補として提示されたことを区別します。
実施した変更と日付を残し、元の質問群を維持して再計測します。追加した質問は別枠で管理し、率が変わった場合は分子・分母とポイント差を示してください。同時期のモデルや検索条件も記録し、ページの変更だけが原因と断定せず、回答内の説明と合わせて評価します。
調査の限界と次回検証
これは2026年9月の取得回答を対象とする単月の観測です。同業界の前月レポートや比較用引き継ぎ情報は提供されていないため、増加・減少や継続傾向は判定していません。Geminiの具体的なモデル版や履歴なども不明で、独立した同条件の100試行とみなすことはできません。
今回の出現数は、市場シェア、サービス品質、実利用者の評価、SEO順位、売上を表しません。Gemini以外のAI検索へ一般化することもできません。次回は質問文、分類、名称とドメインの範囲を固定し、実行条件の記録を補いながら比較します。
調査方法・出典
出典はQueue株式会社「LLMOナビ EC構築・決済・カートSaaS業界AI検索可視化調査」(2026年9月)です。100問と100回答を質問本文で対応付け、本文の名称、参照元、検索の記録を再集計しました。主テーマは質問文の用途を基準に1問1つへ分類し、件数を均等にする調整はしていません。
企業・サービスの役割は公式案内も確認しました(確認日: 2026-09-20 )。料金、機能、実績などAI回答に含まれる個々の主張を網羅的に検証したものではありません。未確認の条件や実績を、事実として本文へ転記していません。

