車を売るとき、生成AIに「高く買い取ってくれるところは?」「事故車でも売れる会社は?」「電話を減らして複数社を比較できるサービスは?」と相談する使い方が考えられます。
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、自動車買取に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、回答本文に登場した買取会社・査定サービスと、参照元として記録されたWebページを分析しました。
100回答中92回答でWeb検索が発火しました。一方、回答を詳しく見ると、Webサイトが頻繁に参照される事業者と、実際の売却候補として名前が多く出る事業者は必ずしも一致しません。
さらに、故障車・事故車など車両状態を指定した質問と、一括査定やオークション形式など売却方法を指定した質問では、候補の顔ぶれが大きく入れ替わりました。
調査概要
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項目 |
内容 |
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調査主体 |
Queue株式会社/LLMOナビ |
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調査目的 |
自動車買取領域におけるGemini回答内の企業・サービス名と参照元の可視化 |
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対象業界 |
自動車買取・車査定サービス |
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対象AI |
Gemini |
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調査設計上の質問数 |
100問 |
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取得回答数 |
100回答 |
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分析対象回答数 |
100回答 |
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調査年月 |
2026年9月 |
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非指名と確認できた質問数 |
100問 |
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地域 |
JP |
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言語 |
日本語 |
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Web検索発火 |
92回答 |
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事前学習ベース |
8回答 |
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確認できなかった実行条件 |
Gemini詳細モデル、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴・個人化等 |
「非指名質問」とは、ガリバーやカーネクストなど具体的な企業・サービス名を質問側で指定せず、「事故車を売るなら?」「出張査定を頼むなら?」と利用条件から尋ねる質問です。
本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方
「参照元」は、Geminiの回答生成時に参照されたものとして記録されたWebページやドメインです。
「本文言及」は、買取会社や査定サービスの名称が回答本文に1回以上登場した状態を指します。同じ回答内で何度名前が出ても、回答単位では1件です。
「推薦」は、単なる情報源や説明対象ではなく、実際に査定・売却を依頼する候補として提示されたケースを指します。
今回の元データには全サービスを同一基準で判定した推薦フラグがないため、本記事の主要ランキングは「本文言及出現回答数」を基本とします。
調査結果の全体像:100回答中92回答でWeb検索が発火
Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、100回答中92回答でWeb検索が発火しました。事前学習ベースだったのは8回答です。
検索発火した92回答では、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリは合計433件。1回答あたり平均4.71件、中央値4件でした。
参照元は延べ1,283レコード、ユニークURLは997件、ユニークドメインは349件です。

テーマ別に見ると、「車両状態・故障・書類」の20問と「売却時期・生活事情」の10問では全回答でWeb検索が発火しました。
一方、「地域・アクセス・輸送」の10問では6/10回答です。
「自宅の近くで持ち込み査定するなら?」「職場の近くで仕事帰りに査定できる店舗は?」のように、具体的な地域名がない質問では、検索せず一般的な探し方を説明する回答も確認されました。
自動車買取業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント
今回の100回答から、大きく4つの特徴が確認できます。
第一に、カーネクストやガリバーなど、多数の質問に横断的に登場するサービスがあります。
第二に、情報源として多く参照されるサイトと、回答本文で売却先候補として多く登場するサービスは一致しません。
第三に、故障車、事故車、過走行車、一括査定、オークションなど条件を具体化すると、総合ランキングとは異なる専門サービスが目立ちます。
第四に、「買取」「査定」だけで自動車というカテゴリを明示しない質問では、ブランド品や家電など別の買取領域へ回答が広がる場合があります。
AI検索上の可視性を見る際は、「車買取」という大カテゴリでの出現回数だけではなく、自社が実際に獲得したい車種・車両状態・売却方法ごとに確認する必要があります。
本文言及ではカーネクスト39回答、ガリバー36回答
同一ブランドと確認できる表記を回答単位で統合すると、カーネクストは39/100回答で本文に登場しました。
ガリバーは36/100、カーセブンは33/100、ネクステージは26/100、ソコカラは25/100です。

この数字は「最も高く買い取る会社」や「サービス品質ランキング」を意味しません。
たとえば、ある回答では売却候補として名前が出る一方、別の回答では比較対象、手続き例、注意対象として名前が出る場合があります。
また、MOTA、ユーカーパック、カーセンサー、ナビクルなど、買取店そのものではなく複数業者との比較や査定仲介を担うサービスも回答に登場します。
実店舗型の買取会社と、一括査定・オークション・比較サービスを同一の役割として単純比較しないことが重要です。
故障車・事故車ではカーネクスト15/20、ソコカラ12/20
100問全体の順位だけでは見えない違いが、質問テーマ別の集計で確認できます。
「年式が古い」「20万キロ超」「車検切れ」「水没」「エンジンがかからない」「事故で大きく壊れた」などを含む「車両状態・故障・書類」の20問では、カーネクストが15/20回答、ソコカラが12/20回答に登場しました。
廃車王とハイシャルも、それぞれ9/20回答に登場しています。
一方、「査定・売却方法」の10問では、MOTA関連表記が6/10、ユーカーパックが4/10、CTN車一括査定が4/10でした。

つまり、全体では上位でないサービスでも、「故障車」「廃車」「オークション」「電話対応を減らしたい」など利用条件を絞ることで回答内の存在感が高まるケースがあります。
自動車買取事業者がAI検索を分析する場合、自社名の100問全体での順位だけではなく、自社が強化したい車両状態や売却方法の質問群で出現率を見る方が実務上は有用です。
ネクステージは53回答で参照、本文言及は26回答
参照元と本文言及の関係を見ると、両者は一致しません。
主要5サービスについて比較すると、次のようになりました。
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カーネクスト:本文言及39回答、carnext.jp参照25回答、両方21回答
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ガリバー:本文言及36回答、221616.com参照26回答、両方20回答
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カーセブン:本文言及33回答、carseven.co.jp参照34回答、両方20回答
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ネクステージ:本文言及26回答、nextage.jp参照53回答、両方23回答
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ソコカラ:本文言及25回答、hanamaru870.net参照21回答、両方18回答

特にネクステージは、関連ドメインが53回答で参照された一方、本文に名称が出たのは26回答でした。
逆にカーネクストは、関連ドメイン参照25回答に対して本文言及39回答です。
この違いから、自社サイトが「情報源として使われているか」と、自社名が「売却先候補として出ているか」は別KPIとして管理した方がよいことが分かります。
ただし、同じ回答で関連サイトと会社名の両方が登場しても、そのページが推薦の直接的な原因だったとは断定できません。
参照元上位には事業者サイトと比較・情報サイトが混在
回答単位で参照元を見ると、nextage.jpが53/100回答、goo-net.comが46/100、kaitori.carview.co.jpが43/100、navikuru.jpが41/100、carseven.co.jpが34/100回答で確認されました。
URLレコード数では、nextage.jpが72件、goo-net.comが69件、kaitori.carview.co.jpが56件、navikuru.jpが53件、carseven.co.jpが42件です。
この結果から、Geminiは買取事業者側のページだけではなく、自動車情報・比較サービスも組み合わせて回答を生成していたことが分かります。
ただし、349ドメインすべてを媒体種別に分類していないため、「第三者媒体が支配的」「一次情報が不足している」とまでは今回のデータから断定できません。
「買取店」だけでは自動車買取と認識されないケースも
今回のデータでは、質問文から「車」という文脈が薄くなると、別カテゴリの買取サービスが回答に入り込むケースも確認されました。
「査定額の根拠を丁寧に説明してくれる買取店の候補を教えて」という質問では、エコリングや質屋かんてい局が候補として挙がりました。
「郊外に住んでいるので、出張費を確認して申し込める買取サービスを挙げて」では、家具・家電やブランド品の出張買取サービスが中心です。
「写真を送って概算査定を受けてから訪問を頼める会社は?」でも、家電・カメラ・骨董品などのサービスが多く提示されました。
Geminiが質問単体から「自動車買取」を特定できなかった可能性があります。
次回は、同じ意図で、
「写真を送って概算査定を受けてから訪問を頼める会社は?」
と、
「車の写真を送って概算査定を受けてから訪問を頼める自動車買取会社は?」
のようなペア質問を用意し、検索クエリ・参照元・企業名がどう変わるかを検証できます。
旧ブランド「ビッグモーター」が現在候補のように残る回答も
もう一つ確認しておきたいのが、企業・ブランド情報の鮮度です。
今回の回答本文では「ビッグモーター」が10回答、「WECARS」が2回答に登場しました。
一部回答では「WECARS(旧ビッグモーター)」と関係を説明していますが、複数の回答では「ガリバー、ビッグモーター、アップル、カーセブン」など、ビッグモーターを現在の買取店候補の一つとして並べています。
WECARS公式では、2024年5月1日に新会社WECARSが旧ビッグモーター等の事業・従業員を承継し、店舗屋号をWECARSとしたことが公表されています。
この結果は、AI検索対策では「自社名を出してもらう」だけでなく、社名変更、事業承継、ブランド変更などの最新エンティティ情報が回答へ正しく反映されているかも確認対象になることを示しています。
AI検索対策で次に検証すべきこと
自動車買取事業者が次に確認すべきなのは、まず自社が獲得したい質問テーマでの可視性です。
事故車・故障車を強化したい事業者なら、
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事故車
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不動車
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車検切れ
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過走行
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水没車
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修復歴あり
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廃車検討
などの質問セットを固定します。
一括査定やオークションサービスであれば、
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電話を減らしたい
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複数社を比較したい
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1回の実車査定で比較したい
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オークション形式で売りたい
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連絡先を渡す業者を絞りたい
といった質問群を分けます。
そのうえで、「自社関連サイトの参照回答数」「自社名の本文言及回答数」「実際の売却先候補として提示された回答数」を別々に測ります。
ページを増やせばAIで推薦される、と結論づけることはできません。
たとえば故障車ページを見直した場合は、対応可能な状態、引き取り条件、費用、査定方法、必要書類などの情報を確認・整理したうえで、同じ質問、同じAI、同じ条件で再調査し、参照と本文言及がどう変化するかを検証する必要があります。
また、社名・ブランド変更がある企業では、旧称、新称、サービス名、運営会社の関係が正しくAIに認識されているかを継続確認することも重要です。
調査の限界と次回検証
今回の調査は、2026年9月に取得したGeminiの100回答を対象とした単月観測です。
ChatGPT、Google AI Overview、AI Modeなど他のAI検索サービスへ結果を一般化することはできません。
Geminiの詳細モデル、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴、個人化条件など、一部の実行条件は確認できませんでした。
また、テーマ別質問数は10問、15問、20問と異なります。テーマ別の出現差を統計的に有意な業界傾向と解釈することもできません。
Gemini回答には料金、店舗数、手数料、入金日、キャンセル条件、最低買取保証など多数の具体情報が含まれますが、今回の調査ではそれらをすべて各社公式情報と照合していません。
AI回答への出現数は、実際の査定価格、接客品質、顧客満足度、市場シェアを示すものでもありません。
次月以降は、同じ100問、同じテーマ分類、同じ表記統合ルールをできる限り維持し、本文言及、参照元、テーマ別出現、検索発火の変化を追うことで、単月の揺れと継続的な変化を分ける必要があります。
調査方法・出典
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査として、自動車買取に関する100個の非指名質問をGeminiに入力しました。
取得した100回答について、Web検索発火状況、回答本文、参照元URL・ドメイン、回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリを分析しています。
企業・サービスの本文言及は回答単位で集計し、日本語・英語・ブランド付き表記など同一実体と確認できるもののみ統合しました。
買取会社、一括査定サービス、オークション型サービス、比較・情報サイト、一般カテゴリ語は可能な範囲で区別しています。
出典:Queue株式会社「LLMOナビ 自動車買取業界 AI検索可視化調査」(2026年9月)
