AIに「初めて通う子に合う塾は?」「中学受験に強い塾は?」「講師との相性を体験で確かめられる塾は?」と質問したとき、どの塾が回答に登場し、GeminiはどのWebサイトを情報源としているのでしょうか。
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、学習塾・予備校業界に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、回答本文で言及された塾・サービスと、参照元として記録されたWebページを分析しました。
結果を見ると、回答本文では個別教室のトライが39/100回答で最多でした。一方、情報源としてもっとも広く参照されたのは塾検索・比較サービス「塾選」のbestjuku.comで54/100回答です。AI検索で「情報源になること」と「塾名が回答に出ること」は、同じ可視性ではありません。

調査概要
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項目 |
内容 |
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調査主体 |
Queue株式会社/LLMOナビ |
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調査目的 |
学習塾・予備校業界におけるAI検索上の塾・サービスの可視性把握 |
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対象 |
学習塾・個別指導塾・予備校・オンライン塾等を探す質問 |
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対象AI |
Gemini |
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調査設計上の質問数 |
100問 |
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取得回答数 |
100回答 |
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非指名と確認できた質問数 |
100問 |
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調査年月 |
2026年9月 |
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地域・言語 |
JP/日本語 |
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検索発火 |
96回答 |
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事前学習 |
4回答 |
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確認できない条件 |
Geminiの具体的モデル名、アプリ/API、正確な実行日時、詳細な検索設定、会話履歴等 |
「非指名質問」とは、「個別教室のトライ」「明光義塾」など特定の塾名を質問文にあらかじめ含めず、学年、受験目的、指導形式、料金、通いやすさ、体験条件などから候補を尋ねる質問です。
今回の100問は、全般・比較検討、地域・通いやすさ、学年・学習特性、中学受験、高校受験、大学受験、定期テスト・成績改善、学習管理・受講スタイル、季節講習・転塾・オンライン、入塾前・体験・契約条件の10テーマに整理しました。
なお、本調査はGemini回答内での露出を調べたものであり、塾の生徒数、市場シェア、教育品質、合格実績や利用者満足度を順位付けしたものではありません。
本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方
本記事では、AI検索上の露出を分けて扱います。
参照元は、Geminiの回答生成時に情報源として記録されたWebページやドメインです。
本文言及は、回答本文に塾名・予備校名・サービス名が1回以上登場した状態です。
推薦は、実際の入塾・受講候補として提示された状態を指します。
出現回答率は、100回答のうち対象が1回以上登場した回答の割合です。
今回のデータでは全100回答を統一基準で推薦分類していないため、「本文に名前が出た=Geminiがおすすめした」とは扱いません。
調査結果の全体像|100回答中96回答で検索が発火
Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、100回答中96回答で検索発火が記録されました。
検索発火した96回答では、Geminiの回答生成時に使用されたものとして447件の検索クエリが記録されています。検索発火回答あたり平均4.66件、中央値4.5件です。
参照URLは合計1,379件で、ユニークな参照ドメインは570でした。検索発火した回答では、1回答あたり平均約14.4件の参照URLが記録されています。
今回の質問群では、一つの検索結果だけを使うより、質問を複数の検索クエリへ展開し、複数のWebページを組み合わせて回答するケースが中心でした。
学習塾・予備校業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント
参照元570ドメインの73.5%は1回のみ
Geminiが参照した情報源は広く分散しています。
570ドメインのうち419ドメイン、73.5%は参照URL行数が1件だけでした。
一方、上位には繰り返し使われるサイトもあります。
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順位 |
ドメイン |
参照URL行数 |
参照された回答数 |
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1 |
bestjuku.com |
82 |
54 |
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2 |
juku.ameba.jp |
46 |
33 |
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3タイ |
coeteco.jp |
35 |
28 |
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3タイ |
kobekyo.com |
35 |
27 |
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5 |
jukushiru.com |
32 |
24 |
URL行数上位5ドメインは230/1,379=16.7%です。

bestjuku.comは塾検索・比較サービス「塾選」、juku.ameba.jpは「Ameba塾探し」です。また、塾探しの窓口や塾シルのような塾検索サービスも参照上位群に入っています。
つまり、Geminiの塾選び回答では、個別の塾公式サイトだけでなく、複数の塾を横断して検索・比較できるサイトが情報源として繰り返し使われていました。
ただし、比較サイトが頻繁に参照されることをもって「公式サイトより信頼されている」と結論づけることはできません。本調査が観測しているのは参照された回数であり、信頼度そのものではないためです。
本文では具体的な塾ブランドが上位に登場
回答本文側では、別の構造が見られました。
言及ランキングには458名称があり、そのうち343名称、74.9%は100回答のうち1回答にしか登場していません。
一方、本文言及出現回答数の上位は次の通りです。
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順位 |
塾・サービス |
本文言及出現回答数 |
出現回答率 |
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1 |
個別教室のトライ |
39 |
39% |
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2 |
東京個別指導学院 |
25 |
25% |
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3 |
明光義塾 |
18 |
18% |
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4タイ |
トライのオンライン個別指導塾 |
15 |
15% |
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4タイ |
武田塾 |
15 |
15% |
四谷学院も14/100回答で登場しています。
個別教室のトライは完全1対1の個別指導塾として、東京個別指導学院は小学生から高校生までを対象とする個別指導塾として現在も提供されています。明光義塾、武田塾、四谷学院もそれぞれ公式サイトで学習塾・予備校サービスを確認できます。

458名称の大半は単発で登場しますが、個別教室のトライは39回答、東京個別指導学院は25回答に登場しています。
したがって、学習塾・予備校のGemini回答は「多数の塾が均等に出る」のではなく、長い裾野と、複数テーマで反復して登場する上位ブランドが併存する構造です。
塾名の本文露出は、公式サイト参照数だけでは説明できない
主要な塾について、本文言及回答数と対応する公式ドメインの参照回答数を分けると、次のようになりました。
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塾・予備校 |
本文言及回答数 |
対応する公式ドメインの参照回答数 |
|
個別教室のトライ |
39 |
27 |
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東京個別指導学院 |
25 |
15 |
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明光義塾 |
18 |
13 |
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武田塾 |
15 |
12 |
|
四谷学院 |
14 |
12 |

例えば個別教室のトライは39回答で本文に登場しましたが、公式サイトkobekyo.comが参照された回答は27回答です。
東京個別指導学院も本文言及25回答に対し、kobetsu.co.jpの参照は15回答でした。
これは、塾のAI検索可視性を「公式サイトが何回引用されたか」だけでは捉えられないことを示しています。
第三者の検索・比較サイトや教育情報サイトが、塾名を含む回答形成に関係した可能性は考えられます。ただし、今回のデータでは個々の本文記述と参照URLの因果関係までは証明できないため、「比較サイトが塾名言及を生んだ」とは断定できません。
実務上は、公式ドメインの参照元出現回答率と、塾名の本文言及出現率を別のKPIとして持つことが重要です。
さらに次回、実際の入塾候補として提示された回答を推薦出現率として分類すれば、「情報源になる」「名前が出る」「候補として薦められる」という三つの段階を分けて観測できます。
質問テーマで、よく使われる情報源が変わる
100問を10テーマに分けると、情報源の使われ方にも違いが確認されました。
「学年・学習特性」の10回答ではbestjuku.comが8/10回答で参照され、coeteco.jp、jukushiru.com、juku.ameba.jpもそれぞれ5/10でした。
「中学受験」の10回答ではbestjuku.comが7/10、kobekyo.comが5/10、ss-1.net、agaroot.jp、chugakujuken.comがそれぞれ4/10です。
「定期テスト・成績改善」ではbestjuku.comが7/10、k-wam.jpが5/10でした。
一方、「大学受験」の10回答では、yotsuyagakuin.com、takeda.tv、toshin.comがそれぞれ3/10回答で参照されています。
また、「入塾前・体験・契約条件」ではjukushiru.comが6/10、Ameba塾探し、塾選、塾探しの窓口がそれぞれ4/10で参照されました。

この違いから、AI検索対策を「学習塾」という一つのカテゴリだけで評価すると、重要な差を見落とす可能性があります。
中学受験、大学受験、定期テスト、体験・料金確認では、Geminiが使う情報源の顔ぶれが同じではありません。
塾側が自社のAI検索可視性を確認する際は、「塾 おすすめ」という広い質問だけでなく、自社が実際に獲得したい受験目的・学年・利用条件に分けて測定する必要があります。
地域を特定できない質問では、具体的な候補を出せないケースもあった
今回の4件の事前学習回答のうち、2件は地域・通いやすさテーマでした。
「自宅から徒歩で通える範囲の学習塾を探している」という質問では、Geminiは正確な場所が分からないため具体的な塾名を挙げられないと回答しています。
「学校帰りに立ち寄りやすい塾に行くならどこ?」も、具体的な場所がないため一般的な探し方の案内にとどまりました。
これは、非指名質問でも、塾名を指定しないことと地域条件を指定しないことは別だと分かる例です。
「東京都新宿区で」「○○駅から徒歩10分以内で」など比較可能な地域条件を固定すれば、地域系のAI検索可視性をより具体的に測定できます。
ただし、この2問だけから「地域質問では検索が発火しにくい」と一般化することはできません。同じ質問条件で再調査する必要があります。
学習塾・予備校企業がAI検索対策で次に検証すべきこと
今回の結果から最初に確認したいのは、公式サイト参照・塾名本文言及・推薦を分けて計測することです。
例えば個別教室のトライでは、本文言及は39/100、公式ドメイン参照は27/100でした。
次回は同じ100問を使い、
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公式ドメインが情報源として登場した回答数
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塾名が本文に登場した回答数
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入塾候補として明示的に提示された回答数
を別々に測ります。
次に、獲得したいテーマに分けて検証することです。
中学受験塾なら志望校別対策・過去問・算数・適性検査、大学受験予備校なら共通テスト・国公立・私大・推薦型選抜、個別指導塾なら定期テスト・学習管理・講師相性など、実際の強みに近い質問群を設定します。
そのテーマで、自社公式のコースページ、料金・体験ページ、合格実績、校舎ページなどが参照されているかを確認します。
公式ページを修正すればAI回答内の露出が上がると今回の調査で証明されたわけではありません。したがって、ページ整備は「改善効果がある施策」と決めつけず、同一質問・同一モデル条件で前後を測る検証施策として扱う必要があります。
三つ目は、地域質問の条件を固定することです。
「近く」「学校帰り」といった表現だけでは候補を特定できないケースがありました。地域系では駅名、市区町村、通学時間などを明示した質問群を用意し、地域条件によって候補塾や参照元がどう変わるかを確認すると、より実際の塾探しに近い分析ができます。
調査の限界と次回検証
今回の調査は、2026年9月に取得されたGeminiの100回答を分析したものです。
Geminiの具体的モデル名、GeminiアプリとAPIのどちらを使用したか、正確な実行日時、詳細な検索設定、会話履歴などは確認できません。
また、言及ランキングの458名称には塾ブランド、オンラインサービス、一般カテゴリ、表記揺れなどが含まれます。「458の独立した塾が登場した」という意味ではありません。
さらに、今回の記事では本文言及を集計していますが、100回答すべてを同一基準で「第一候補」「複数候補」「単なる情報源・事例」へ分類していません。そのため、本文言及順位を推薦順位とはしていません。
前月までの同一定義データも今回提供されていないため、「増えた」「減った」「順位が上昇した」といった月次変化も評価していません。
次月以降は、質問セット、テーマ分類、AIの実行条件、名称の正規化ルールを可能な限り固定し、参照元出現率・本文言及率・推薦出現率を分けて追跡することで、単月ランキングよりもAI検索上の変化を正確に把握しやすくなります。
調査方法・出典
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、学習塾・予備校業界に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、取得された100回答、検索発火状況、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリ、参照URL・ドメイン、回答本文に登場した塾・サービス名を分析しました。
質問一覧と回答データで質問番号の並びが一致しないため、テーマ分析やシート横断集計では質問本文を基準に照合しています。
塾・サービスと公式サイトの関係については、必要な範囲で各公式Webサイトを確認しています。
出典:Queue株式会社「LLMOナビ 学習塾・予備校業界 AI検索可視化調査」(2026年9月)
