転職エージェントを探すとき、「初めて登録するなら?」「年収を上げたいなら?」「面接対策を頼むなら?」「ハイクラス転職なら?」と生成AIへ相談する使い方が広がっています。

Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、個人向け転職支援に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、回答本文で言及された企業・サービスと、参照元として記録されたWebページを分析しました。

その結果、100回答中93回答でWeb検索が発火しました。

一方、表記を統合して回答本文を再集計すると、リクルートエージェントは63回答、dodaは59回答に登場しましたが、それぞれの関連ドメインが参照された回答数は16回答、26回答でした。

さらに、ハイクラス転職や面接対策など質問テーマを絞ると、100問全体とは異なる候補構成も確認されました。

調査概要

項目

内容

調査主体

Queue株式会社/LLMOナビ

調査目的

個人向け転職領域におけるGemini回答内のサービス名と参照元の可視化

対象業界

転職エージェント・個人向け転職支援

対象AI

Gemini

調査設計上の質問数

100問

取得回答数

100回答

分析対象回答数

100回答

調査年月

2026年9月

非指名と確認できた質問数

100問

地域

JP

言語

日本語

Web検索発火

93回答

事前学習ベース

7回答

確認できなかった実行条件

Gemini詳細モデル、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴・個人化等

ここでいう「非指名質問」とは、特定企業やサービス名を質問側で指定せず、「高年収の求人に応募するなら?」「面接対策が手厚いところは?」「地方転職に強いエージェントは?」のように、転職者の条件や目的から尋ねる質問です。

本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方

「参照元」は、Geminiが回答を作成する際に参照したものとして記録されたWebページ・ドメインです。

「本文言及」は、企業・サービス名が回答本文に1回以上登場した状態です。同じサービスが1回答で複数回登場しても、回答単位では1件として数えます。

「推薦」は、単なる情報源や事例ではなく、登録・相談・利用する候補として本文に提示された状態を指します。

今回の元データには全サービスについて統一した推薦役割判定がないため、本記事では主に「本文言及出現回答数」を使用します。

調査結果の全体像:100回答中93回答でWeb検索が発火

Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、100回答中93回答でWeb検索が発火しました。

検索が発火した93回答では、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリは合計392件です。1回答あたり平均4.22件、中央値4件で、最少3件、最多9件でした。

参照元は延べ1,177レコード、ユニークURLは973件、ユニークドメインは497件です。

検索が発火しなかった7回答には、

「総合型と業界特化型を併用するなら?」

「四十代の経験を評価してくれる企業に応募したい」

「基本給を上げられる求人を紹介してもらいたい」

などがありました。

一方、地域・移住、応募書類・面接対策、業界別、職種別、選考・内定後、相談・利用条件の各10問では、すべてWeb検索が発火しています。

この結果だけで「具体的な質問ほど検索される」と断定することはできませんが、質問テーマによって検索発火状況に違いがあることは確認できます。

転職業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント

今回の100回答からは、大きく4つの特徴が確認されました。

第一に、リクルートエージェントやdodaなど、幅広い質問に繰り返し登場する総合型サービスがあります。

第二に、回答本文へのサービス名の登場数と、そのサービスに関連するWebサイトの参照数には大きな差があります。

第三に、ハイクラス転職、面接対策、地域転職など質問テーマを変えると、候補サービスの顔ぶれや出現率も変わります。

第四に、回答生成時に頻繁に参照されるドメインと、本文言及上位の転職エージェントは必ずしも一致しません。

そのため、AI検索上の可視性を評価するときは「企業名が何回答に出たか」だけではなく、「どの質問テーマで」「どの情報源とともに」「どの役割で登場したか」を分けて確認する必要があります。

表記統合後、リクルートエージェント63回答、doda59回答

自動言及ランキングでは、リクルートエージェントが60/100、dodaが50/100でした。

しかし回答本文を直接再集計すると、同一サービスの別表記やサービス名称の揺れが存在します。

表記を整理した結果、

  • リクルートエージェント:63/100

  • doda:59/100

  • マイナビ転職エージェント:45/100

  • JACリクルートメント:32/100

  • パソナキャリア:29/100

  • ビズリーチ:25/100

となりました。

この順位は転職成功率、求人の質、担当者の能力、利用者数などを示すものではありません。

今回の100個の非指名質問に対して、Geminiが回答本文でどのサービス名を何回答に登場させたかを示すものです。

また、doda Xやリクルートダイレクトスカウトのようなハイクラス・スカウト型サービス、Indeedや求人ボックスのような求人検索サービスは役割が異なるため、総合型転職エージェントと同一のものとして単純比較していません。

参照元上位はneo-career.co.jp38回答、axxis.co.jp34回答

Geminiが回答生成時に参照したドメインを、同じ回答内での重複を除いて集計すると、

  • neo-career.co.jp:38/100回答

  • axxis.co.jp:34/100回答

  • coeteco.jp:27/100回答

  • doda.jp:26/100回答

  • mynavi-agent.jp:22/100回答

が上位でした。

これは本文言及上位のサービスとは異なる並びです。

たとえばリクルートエージェントは本文では63回答に登場しましたが、r-agent.comが参照されたのは16回答でした。

参照元として多く登場するWebサイトと、最終回答で利用候補として名称が出るサービスは別の指標として測る必要があります。

リクルートエージェントは本文63回答、関連ドメイン参照16回答

主要サービスについて、本文言及と関連ドメイン参照を同じ回答単位で比較すると差がより明確です。

  • リクルートエージェント:本文63、r-agent.com参照16、両方10

  • doda:本文59、doda.jp参照26、両方20

  • マイナビ転職エージェント:本文45、mynavi-agent.jp参照22、両方16

  • JACリクルートメント:本文32、jac-recruitment.jp参照16、両方11

  • パソナキャリア:本文29、pasonacareer.jp参照15、両方10

リクルートエージェントでは、本文に名称が出た63回答のうち、同じ回答でr-agent.comが参照されていたのは10回答です。

つまり、少なくとも今回のデータでは「自社関連サイトが参照されている回答数」と「自社名が本文で候補として出る回答数」は同じではありません。

ただし、関連サイトが参照されなかった回答で、なぜそのサービス名が登場したのかまでは今回のデータから断定できません。

第三者の比較・転職情報ページ、他社運営の転職ノウハウ記事、Geminiが保持する情報など、複数の経路が考えられます。

同様に、同一回答で公式・関連サイトとサービス名が確認されても、そのページがサービス推薦の直接原因だったという因果関係は証明できません。

ハイクラス転職10問ではJACが7/10、ビズリーチが6/10

全体順位だけでは見えない違いが、質問テーマを分けることで確認できます。

「年収1,000万円以上の求人」「経営幹部」「専門職から管理職」「海外勤務経験」「成長企業で裁量のある仕事」などを含む「キャリアアップ・ハイクラス」10問では、

  • JACリクルートメント:7/10

  • ビズリーチ:6/10

  • リクルートエージェント:5/10

  • doda:5/10

  • マイナビ転職エージェント:4/10

  • doda X:4/10

  • リクルートダイレクトスカウト:4/10

でした。

100問全体ではリクルートエージェントとdodaが上位ですが、ハイクラスという条件を付けるとJACリクルートメントやビズリーチの出現率が上がっています。

このことから、企業がAI検索上の露出を確認するときには、業界全体の100問ランキングだけでなく、自社が対象とするユーザー条件ごとの質問群を見る必要があります。

面接・応募書類の10問ではリクルート9/10、doda8/10

「模擬面接をしてほしい」「職務経歴書を添削してほしい」「面接で落ち続けている」「短期離職を踏まえて面接練習をしたい」といった「応募書類・面接対策」10問では、

  • リクルートエージェント:9/10

  • doda:8/10

  • マイナビ転職エージェント:6/10

  • ハタラクティブ:5/10

  • Geekly:4/10

でした。

ここでも、100問全体の上位構成とは少し異なります。

とくにハタラクティブは100問全体では16/100ですが、面接・応募書類テーマでは5/10回答に登場しました。

ただし、これは実際の面接支援品質を測った結果ではありません。

「選考支援を相談する質問に対してGeminiが候補として名称を出した頻度」として解釈する必要があります。

AI検索対策で次に検証すべきこと

転職エージェントや人材紹介会社が次に確認すべきなのは、自社が獲得したい転職者像ごとの可視性です。

ハイクラス人材を対象にするなら、

  • 年収1,000万円以上

  • 管理職

  • 経営幹部

  • 専門職

  • 海外経験

  • 非公開求人

などの質問を固定します。

若手・未経験向けなら、

  • 第二新卒

  • 社会人経験なし

  • 短期離職

  • 未経験職種

  • 書類選考

  • 面接対策

などを分けます。

そのうえで、

  1. 自社サービス名が本文に出た回答数

  2. 自社関連ドメインが参照された回答数

  3. 登録・相談候補として明示的に提示された回答数

を別々に測定します。

たとえば面接対策ページを充実させた後に本文言及が増えたとしても、そのページ改善だけが原因だとは1回の調査では証明できません。

同じ質問、同じAI、同じ表記統合ルール、可能な限り同じ実行条件で再調査し、参照元出現率・本文言及率・推薦出現率の変化を確認する必要があります。

また、今回のように自動言及ランキングでサービス名が複数表記へ分割される場合、正規化ルールを固定しないと月次変化を正しく比較できません。

調査の限界と次回検証

今回の調査は、2026年9月に取得したGeminiの100回答を対象とした単月観測です。

ChatGPT、Google AI Overview、AI Modeなど、他のAI検索サービスへ結果を一般化することはできません。

Geminiの詳細モデル、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴、個人化なども確認できていません。

質問テーマは各10問ですが、10回答という分母だけで統計的な有意差や業界全体の傾向を証明することはできません。

また、Gemini回答には求人数、年収帯、サポート内容、営業時間、面談可能日時など具体情報が多数含まれていますが、今回の調査ではすべてを各サービスの最新公式情報と照合していません。

AI回答への本文言及数は、転職成功率、サービス品質、利用者数、市場シェアを意味するものでもありません。

次月以降は、同じ100問、同じ10テーマ、同じ表記統合ルールを固定し、本文言及、参照元、テーマ別出現、検索発火の変化を継続確認する必要があります。

調査方法・出典

Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査として、個人向け転職支援に関する100個の非指名質問をGeminiに入力しました。

取得した100回答について、Web検索発火状況、回答本文、参照元URL・ドメイン、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリを分析しています。

本文言及は回答単位で再集計し、日本語・英語・旧名称等で同一サービスと確認できる表記のみ統合しました。求人サイト、スカウトサービス、公的相談窓口、一般用語は転職エージェントと区別しています。

出典:Queue株式会社「LLMOナビ 転職業界(個人向け) AI検索可視化調査」(2026年9月)