AIに「痛みに配慮してくれる歯医者は?」「親知らずを相談するなら?」「今日診てもらえる歯科医院は?」と尋ねたとき、どの医院やサービスが回答に現れ、何を情報源にしているのでしょうか。Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、歯医者業界に関する100個の非指名質問をGeminiで調査しました。82回答でWeb検索が使われ、1,164件の参照URLと906ドメインを確認しましたが、具体的な医院名の多くは1回答だけへの登場でした。

調査概要
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項目 |
内容 |
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調査主体 |
Queue株式会社/LLMOナビ |
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調査目的 |
歯科医院・歯科関連サービスのAI検索上の可視性把握 |
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対象 |
虫歯、歯周病、親知らず、小児歯科、インプラント、矯正、ホワイトニング、訪問歯科等を検討するユーザー |
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対象AI |
Gemini |
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調査設計上の質問数 |
100問 |
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取得回答数・有効回答数 |
100回答/100回答 |
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非指名と確認できた質問数 |
100問 |
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調査年月 |
2026年9月 |
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地域・言語 |
JP/日本語 |
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検索発火 |
82回答 |
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事前学習 |
18回答 |
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記録検索クエリ |
345件 |
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確認できない条件 |
Geminiの具体的モデル名、アプリ/API、正確な実行日時、詳細な検索設定、会話履歴等 |
ここでいう「非指名質問」とは、特定の歯科医院名や予約サービス名を質問文にあらかじめ含めず、症状、治療目的、地域、予算、通院条件などから受診先を尋ねる質問です。
なお、本調査が測っているのはGemini回答内での可視性です。歯科医院の診療品質、技術力、安全性、治療成績、患者満足度を評価したランキングではありません。
本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方
本記事では、AI検索上の露出を三つに分けます。
参照元は、Geminiの回答生成時に情報源として記録されたWebページやドメインです。
本文言及は、歯科医院名、サービス名、学会名などが回答本文に1回以上登場した状態です。末尾の参照元一覧だけへの登場は含めません。
推薦は、実際の受診、予約、相談先の候補として提示された状態です。
出現回答率は、100回答のうち対象が1回以上登場した回答の割合です。
今回のデータでは100回答すべてを同じ基準で推薦分類していないため、「本文に名前が出た=Geminiがおすすめした歯科医院」とは扱いません。
調査結果の全体像|82回答で検索が発火、参照元は906ドメイン
Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、100回答中82回答で検索発火が記録されました。
検索発火した82回答では、Geminiの回答生成時に使用されたものとして345件の検索クエリが記録されています。検索発火回答あたり平均4.21件、中央値4件です。
さらに、参照URLは合計1,164件、ユニークな参照ドメインは906でした。検索発火回答だけで見ると、1回答あたり平均約14.2件の参照URLが記録されています。
一つの検索結果だけに依存するのではなく、質問ごとに複数の検索と多数のWebページを組み合わせていることが分かります。
歯医者業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント
歯医者業界の回答構造には、特に三つの特徴が確認されました。
第一に、情報源が非常に広く分散しています。906ドメインの80.8%は1回だけの参照でした。
第二に、回答本文に登場する名称もほぼ単発です。220名称の91.4%は1回答にしか登場していません。
第三に、具体的な歯科医院よりも、検索・予約サービスや専門領域の窓口が複数回答をまたいで登場するケースがあります。
このため、全国100問をまとめた「歯科医院ランキング」だけで可視性を判断するより、地域、診療目的、患者条件、予約意図ごとに見る必要があります。
上位5ドメインでも全参照URLの3.0%
906ドメインのうち732ドメイン、80.8%は参照URL行数が1件でした。
参照URL行数の上位は次の通りです。
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順位 |
ドメイン |
主な役割 |
参照URL行数 |
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1 |
119.dental |
訪問歯科の紹介・相談 |
9 |
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2 |
haisha-yoyaku.jp |
歯科医院検索・予約 |
8 |
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3 |
houmonshika.org |
訪問歯科関連団体・情報 |
7 |
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4 |
epark.jp |
医療・歯科検索予約 |
6 |
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5 |
lala-shika.com |
個別歯科医院公式 |
5 |
上位5ドメインを合計しても35/1,164=3.0%です。

回答単位で見ても、119.dental、haisha-yoyaku.jp、epark.jp、lala-shika.comの最多グループはいずれも5/100回答でした。
訪問歯科119番は、訪問歯科医を紹介するサービスです。日本訪問歯科協会も、通院が難しい人向けの訪問歯科検索・相談情報を提供しています。
つまり、100問全体を通じて一つのサイトが情報源として支配的だったわけではありません。虫歯、矯正、入れ歯、訪問診療など質問内容に応じて参照先が細かく入れ替わっています。
ただし、参照元の分散は情報品質や信頼性の低さを意味しません。本調査では参照頻度を測っているだけで、各Webページの医学的品質を採点していないためです。
220名称の91.4%は1回答だけ。個別医院はほぼ毎回答入れ替わる
本文側の分散はさらに大きくなっています。
回答本文から抽出された企業・サービス・医院・学会・一般名称等は220名称あり、そのうち201名称、91.4%は100回答のうち1回答にしか登場していません。
具体的なサービス名では、EPARK歯科が9/100回答で最多でした。
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名称 |
分類 |
本文言及回答数 |
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EPARK歯科 |
歯科検索・予約サービス |
9 |
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歯科医院 |
一般名称 |
4 |
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歯科タウン |
歯科検索・情報サービス |
3 |
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デンターネット |
歯科関連情報サービス |
3 |
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訪問歯科119番 |
訪問歯科紹介サービス |
2 |
EPARK歯科は、全国の歯科医院を条件から検索し、空き状況を確認してネット予約できる総合歯科サイトです。

一方、具体的な個別医院名を見ると、3回答以上に登場した医院は確認できませんでした。「さくらプラチナム歯科」が2回答に登場したほか、多くの医院名は1回答のみです。
これは「Geminiが特定の歯科医院を全国一律で繰り返し提示している」というより、質問の症状や条件に応じて異なる医院を挙げている構造を示しています。
したがって歯科医院側がAI検索可視性を確認する場合、全国100問での総合順位だけを追うより、自院の商圏と診療内容に近い質問群で測定する方が実務上の意味を持ちます。
「近くの歯医者」は場所が分からないと具体候補になりにくい
今回、地域・通いやすさ・訪問診療に関する10問のうち、検索が発火したのは6問でした。
残る4問は事前学習で回答されました。
具体的には、
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「今いる場所の近くで、歯の痛みを診てもらいに行くならどこ?」
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「自宅から徒歩で通える範囲で、定期検診に向いているところは?」
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「最寄り駅の近くで親知らずを診てもらえる相談先を教えて」
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「学校帰りに寄れる歯医者で、説明や接客の評判が良いところは?」
です。
これらの回答では、現在地、住所、最寄り駅などを特定できないため、具体的な医院名よりもGoogleマップや歯科検索サービスを使った探し方が説明されました。
一方、「職場の近くで、平日夜の歯科診療に対応しているところは?」では検索自体は発火し、EPARK歯科等を利用して夜間診療や場所から絞り込む方法が案内されています。

この結果から、「非指名」であることと「地域を指定しないこと」は分けて考える必要があります。
例えば次回、
「新宿駅から徒歩10分以内で、平日20時まで診療する歯科医院は?」
のように地域条件を固定すれば、具体的な医院候補がどの程度増えるのかを検証できます。
ただし、地域テーマ10問だけの結果なので、「地域質問は検索されにくい」と業界全体へ一般化することはできません。
診療目的が具体的でも、参照するサイトは一つに集中しない
地域質問とは対照的に、「インプラント・矯正・ホワイトニング」の12問では12/12回答すべてで検索が発火しました。
それでも、このテーマで同一ドメインが参照された最大値は2/12です。
implant.ws、suzuki-dc.net、hanarabi418.com、oh-my-teeth.comなど複数の専門サイト・医院サイトがそれぞれ一部の質問で使われ、特定のWebサイトがテーマ全体を占める形ではありませんでした。
「患者属性・配慮」の10問でも10/10回答で検索が発火しましたが、上位ドメインでも2/10程度です。
一方、親知らず・小児歯科の8問では検索発火5/8、虫歯・歯周病・根管治療の13問では10/13でした。
検索するかどうかも、検索後にどの情報源を使うかも、質問テーマによって違っています。
このため、AI検索対策を考える際には「歯医者」という業界単位だけでなく、虫歯、歯周病、根管治療、インプラント、矯正、訪問歯科など、自院が獲得したい診療テーマごとに見る必要があります。
歯科を想定した質問でも、別の医療領域へ広がるケースがある
質問文の文脈によっては、検索対象が歯科以外へ広がる例も確認されました。
「できるだけ痛くない治療を希望しているけど、麻酔について相談するならどこがいい?」では、検索クエリに「麻酔科」「ペインクリニック」が追加され、回答の冒頭も麻酔科・ペインクリニックの説明になりました。その後に歯科麻酔について説明しています。
「仕事で通院日が限られる人向けに、治療日程を相談できる候補を教えて」では、歯科医院ではなく、治療と仕事の両立支援センターやがん相談支援等へ回答が広がりました。
また、「嘔吐反射が強くても検査や治療を相談できるところはある?」では、歯科医院とともに消化器内科・内視鏡クリニックが候補に入りました。
これらはすべて完全な誤りとは限りません。麻酔、嘔吐反射、仕事と治療の両立は歯科以外の医療領域にも存在するためです。
しかし、「歯科治療で」「歯医者で」といったカテゴリ語を質問に加えた場合に検索結果がどう変わるかは、AI検索可視性調査として重要な検証対象です。
歯科医院がAI検索対策で次に検証すべきこと
今回の結果から、歯科医院側が最初に行うべきなのは、全国順位ではなく商圏と診療テーマを固定した測定です。
例えば矯正歯科なら、
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地域名+大人の矯正
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地域名+マウスピース型装置
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地域名+ワイヤー矯正
-
土日+矯正相談
など、自院の診療内容に近い質問を設定します。
インプラント、親知らず、小児歯科、訪問歯科でも同様です。
次に、参照元・本文言及・推薦を別々に測ることです。
今回、EPARK歯科は9回答で本文に登場しましたが、個別歯科医院の名称はほとんどが1回答のみでした。検索・予約サービスと実際の受診先は、回答内で役割が異なります。
次回は、
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自院公式サイトが参照された回答数
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自院名が本文に登場した回答数
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自院が実際の予約・相談候補として提示された回答数
を分ける必要があります。
さらに、地域検索では市区町村や駅名を固定します。「近く」という表現だけの質問と、「○○駅から徒歩10分」の質問を比較すれば、地域条件が具体的な候補提示にどの程度関係するかを確認できます。
公式ページを増やしたり書き換えたりすればAI上の露出が上がると、今回の調査で証明されたわけではありません。ページ改善を行う場合も、同一質問・同一AI条件で前後を測る検証施策として扱う必要があります。
調査の限界と次回検証
今回の調査は、2026年9月に取得されたGeminiの100回答を分析したものです。
Geminiの具体的モデル名、アプリとAPIのどちらを利用したか、正確な実行日時、詳細な検索設定、会話履歴などは確認できません。
また、220名称には歯科医院だけでなく、EPARK歯科のような予約サービス、学会、治療法、一般名称も含まれます。「220の歯科医院が登場した」という意味ではありません。
100回答すべてを同一基準で「明示的な第一候補」「複数候補」「検索・予約窓口」「情報源」へ分類していないため、本文言及ランキングを推薦ランキングとして紹介していません。
医療分野では特に、AI回答内で多く登場した医院を「良い医院」「治療技術が高い医院」と解釈することはできません。
また、前月以前の同一定義データは今回入力されていないため、「前月より増えた」「露出が改善した」といった月次変化も評価していません。
次月以降、質問本文、地域条件、診療テーマ、AI実行条件、名称正規化ルールを固定し、参照元出現率・本文言及率・推薦出現率を分けて追跡することで、単月ランキングより実務的なAI検索可視性を把握しやすくなります。
調査方法・出典
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、歯医者業界に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、取得された100回答、検索発火状況、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリ、参照URL・ドメイン、回答本文に登場した医院・サービス等を分析しました。
プロンプト一覧と回答側の質問番号が一致しないケースがあるため、テーマ分析やシート横断集計では質問本文を基準に照合しています。
検索・予約サービスや訪問歯科関連サービスの現在の役割については、必要な範囲で公式Webサイトを確認しました。
出典:Queue株式会社「LLMOナビ 歯医者業界 AI検索可視化調査」(2026年9月)
