AIに「初心者向けのジムは?」「24時間使えるジムは?」「食事指導も受けられるパーソナルジムは?」と尋ねたとき、どのジムが回答に登場し、AIはどのWebサイトを情報源としているのでしょうか。
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、ジム・フィットネス業界に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、回答本文に登場した企業・ブランド・サービスと、参照元として記録されたWebページを分析しました。
結果を見ると、公式サイトが情報源として使われる頻度と、そのブランド名が回答本文へ登場する頻度は必ずしも一致しませんでした。また、料金、地域、減量、設備、契約条件など質問テーマが変わると、よく参照されるサイトも変化しています。

調査概要
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項目 |
内容 |
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調査主体 |
Queue株式会社/LLMOナビ |
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調査目的 |
ジム・フィットネス業界におけるAI検索上の可視性把握 |
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対象 |
ジム、スポーツクラブ、パーソナルジム等を探すユーザーを想定した質問 |
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対象AI |
Gemini |
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調査設計上の質問数 |
100問 |
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取得回答数 |
100回答 |
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非指名と確認できた質問数 |
100問 |
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調査年月 |
2026年9月 |
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地域 |
JP |
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検索発火 |
93回答 |
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事前学習 |
7回答 |
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確認できない条件 |
Geminiの具体的モデル名、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴等 |
ここでいう「非指名質問」とは、「ルネサンス」「エニタイムフィットネス」といった具体的なブランド名を質問文にあらかじめ含めず、料金、目的、設備、地域、利用条件などから候補を尋ねる質問です。
なお、本調査で測っているのはGeminiの回答内での露出です。店舗数、市場シェア、サービス品質、利用者満足度を順位付けした調査ではありません。
本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方
AI検索の可視性を考えるうえでは、「参照された」と「名前が出た」を分ける必要があります。
参照元は、Geminiの回答生成時に参照先として記録されたWebページやドメインです。
本文言及は、回答本文にジム、企業、ブランド、サービス名が1回以上登場した状態です。参照元一覧だけにURLが存在する場合は本文言及には含めません。
推薦は、そのジム・サービスが実際の入会先、相談先、利用候補として提示された状態です。
また、出現回答率は、100回答のうち対象が少なくとも1回登場した回答の割合を意味します。
今回のデータでは全100回答を統一ルールで推薦分類していないため、本文にブランド名が出たことをそのまま「Geminiがおすすめした」とは扱いません。
調査結果の全体像|93%の回答で検索が使われた
Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、100回答中93回答で検索発火が記録され、7回答は事前学習による回答でした。
検索が発火した93回答では、Geminiの回答生成時に使用されたものとして432件の検索クエリが記録されています。1回答あたり平均4.65件、中央値は5件です。
さらに、参照元として記録されたURLは1,294件、参照ドメインは721に上りました。
つまり今回の質問群では、多くの回答が一つの検索語や一つのWebサイトだけで組み立てられていたわけではありません。複数の検索クエリへ質問を展開し、多数のWebページを参照しながら回答を作るケースが中心でした。
ジム・フィットネス業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント
721ドメインの76%は1回しか参照されていない
参照元には強いロングテールが確認されました。
721ドメインのうち、548ドメインは参照URL行数が1件だけでした。割合にすると76.0%です。
参照URL行数が多かった上位5ドメインは次の通りです。
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順位 |
ドメイン |
参照URL行数 |
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1 |
s-re.jp |
30 |
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2 |
anytimefitness.co.jp |
20 |
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3 |
space-gym.com |
19 |
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4 |
rizap.jp |
18 |
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4 |
note.com |
18 |
上位5ドメインを合計しても105件で、1,294件の8.1%です。

上位にはルネサンスのs-re.jp、エニタイムフィットネスのanytimefitness.co.jp、SPACE GYM、RIZAPなど、実際にジムサービスを提供する事業者側の公式サイトが並びました。各ドメインとサービスの関係は公式サイトでも確認できます。
一方でnote.comのようなプラットフォーム、my-best.comやqool.jpなどの情報・比較系サイトも上位群に入っています。
今回の結果から言えるのは、「公式サイトだけ」「比較サイトだけ」のどちらか一方で回答が作られているわけではないということです。
ただし、参照先が分散していること自体を、情報品質が高い・低いという評価に結び付けることはできません。
本文に登場する名称もロングテール。77.8%は1回答のみ
回答本文側でも分散が見られました。
レポート上の言及ランキングには356名称が掲載されていますが、そのうち277名称、77.8%は100回答のうち1回答にしか登場していません。
元ランキングで上位だった表記は「ルネサンス」18回答、「コナミスポーツクラブ」17回答、「エニタイムフィットネス」16回答、「セントラルスポーツ」11回答、「ゴールドジム」10回答などです。
ただし、このランキングには同一ブランドの表記揺れがあります。
たとえばルネサンスは「ルネサンス」のほかに「スポーツクラブ ルネサンス」「スポーツクラブ&サウナスパ ルネサンス」が別行で集計されています。エニタイムフィットネスやRIZAPなどにも同様の表記差があります。
そこで明らかに同一と確認できる主要ブランドだけを回答単位で統合すると、本文言及はルネサンス27/100、エニタイムフィットネス22/100、コナミスポーツクラブ18/100、RIZAP16/100、セントラルスポーツ13/100、ゴールドジム12/100でした。

この数字からも、単一ブランドが100問全体を独占するような構造ではありません。
一方、「356名称が登場した」ことだけから、新しいジムブランドでも容易にAI回答へ登場できるとは判断できません。表記揺れや一般カテゴリも含まれるため、次回は正規化したブランド単位での分散も確認する必要があります。
公式サイトが参照される回答と、ブランド名が出る回答は一致しない
今回の分析で特に注目したいのが、公式サイトの参照とブランド名の本文言及の違いです。
主要ブランドについて、明らかな表記揺れを統合して回答単位で再集計すると、次のようになりました。
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ブランド |
公式ドメインが参照された回答 |
ブランド名が本文に出た回答 |
両方が確認された回答 |
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ルネサンス |
20 |
27 |
17 |
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エニタイムフィットネス |
15 |
22 |
14 |
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コナミスポーツクラブ |
12 |
18 |
10 |
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セントラルスポーツ |
14 |
13 |
9 |
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RIZAP |
14 |
16 |
3 |
たとえばルネサンスは27回答でブランド名が確認されましたが、そのうちs-re.jpも同じ回答で参照されていたのは17回答です。
コナミスポーツクラブではブランド名が18回答に登場したのに対し、公式ドメインkonami.comが参照されていたのは12回答、両者が同じ回答で確認できたのは10回答でした。
RIZAPはさらに差が大きく、ブランド名が16回答、rizap.jpが参照された回答が14回答だった一方、同じ回答で両方が確認されたのは3回答です。
これは、ブランド名が回答へ登場する経路を自社公式サイトの参照だけで説明できないことを示しています。
もちろん、第三者サイトがブランド言及の直接的な根拠になったとまでは断定できません。参照元とブランド名が同じ回答に存在するだけでも因果関係は証明できないからです。
ただしAI検索対策を測定する際、「公式サイトが何回答で参照されたか」と「ブランド名が何回答で登場したか」を別のKPIとして持つ必要性は明確です。
質問テーマが変わると、よく参照されるサイトも変わる

100問を質問内容から10問ずつのテーマに整理すると、参照元の顔ぶれも変化しました。
たとえば「料金、サポート、トレーナー、初心者向け」といった全般・比較検討の10問では、space-gym.comが5/10回答で参照されました。
「駅近」「全国展開」「複数店舗」「駐車場」といった地域・通いやすさの10問では、anytimefitness.co.jpが4/10回答で参照されています。エニタイムフィットネスの公式サイトでは全国の店舗検索や複数店舗利用について案内しています。
一方、減量・食事管理を扱う10問では、beyond-gym.com、katagirijuku.jp、rizap.jp、space-gym.comがそれぞれ3/10で並び、特定の1サイトだけへの集中は確認できませんでした。
設備、スタジオ、サウナ、オンライン対応などを扱う10問では、s-re.jpとnote.comがそれぞれ4/10回答で参照されています。ルネサンスは公式サイト上でも店舗、スタジオや各種プログラムを案内しています。
この違いから、AI検索上の競争相手を「ジム業界全体」で一括りにすると重要な差を見落とす可能性があります。
全国展開を探す質問、ダイエット目的の質問、設備を重視する質問では、Geminiが比較する候補も参照する情報源も同じではありません。
「個別指導」「予約変更」などの抽象語では検索先が別業界へ広がった

もう一つ重要なのが、非指名質問そのものの設計です。
今回、「施設の利用と個別指導を組み合わせられるサービスは?」という質問に対し、Geminiが使用したものとして記録された検索クエリには「個別指導塾 自習室」が含まれていました。実際の参照先にも学習塾や福祉系サービスが混ざっています。
「マンツーマンより料金を抑えて指導を受けられるサービスは?」では、「オンライン学習」「個別指導より安い学習方法」「集団授業」といった検索へ展開しました。
さらに「急な残業があるので、当日の予約変更に対応しているところは?」では、美容院、飲食店、整体などへの検索クエリが追加されています。
「子連れで利用できるか確認したいので、対応施設に問い合わせたい」という質問でも、「子連れ施設」「家族向け施設」といった広い検索へ展開していました。
これらは、ユーザーにとって文脈が明らかな質問でも、AI検索では対象カテゴリが十分に固定されない場合があることを示しています。
「個別指導」ではなく「ジムでの個別トレーニング」、「予約変更」ではなく「ジムのトレーニング予約変更」のように、カテゴリ語を明示した質問と比較することで、検索展開がどの程度変わるかを検証できます。
ジム・フィットネス企業がAI検索対策で次に検証すべきこと
今回の結果から、次に重要なのは単純に「自社名が何回出たか」を見ることではありません。
第一に、公式サイト参照率とブランド本文言及率を分けて追跡することです。
自社公式サイトが多く参照されているにもかかわらずブランド名が候補としてあまり出ない場合と、公式サイトはそれほど参照されていないのにブランド名は頻繁に出る場合では、確認すべき内容が異なります。
まずは同じ100問を使い、「自社公式ドメインが参照された回答数」「ブランド名が本文に登場した回答数」「実際の入会候補として提示された回答数」を別々に計測することが必要です。
第二に、獲得したい質問テーマごとに測ることです。
24時間ジムなら地域・営業時間・複数店舗利用、総合型スポーツクラブならプール・スタジオ・サウナ、パーソナルジムなら減量・食事指導・ボディメイクなど、ユーザーが選ぶ理由は異なります。
たとえば自社が「全国の店舗を使える」という特徴を訴求しているのであれば、その条件を含む質問群で公式サイト参照とブランド言及を測定します。
そのうえで、店舗検索、料金、設備、サポート内容などの公式ページの情報を確認・整理し、同じ質問セットを再実行する方法が検証施策になります。
ページを修正すればAI露出が上がると証明されたわけではないため、施策後は同条件で再測定することが重要です。
第三に、曖昧な非指名質問を別カテゴリへ展開していないか確認することです。
LLMOナビの今回の調査では、「個別指導」「週一回利用」「予約変更」「子連れ施設」といった表現でフィットネス外の検索が確認されました。
AI検索可視性の月次比較では、こうした意味ずれ自体も観測対象にしなければ、企業の露出変化と質問解釈の変化を取り違える可能性があります。
調査の限界と次回検証
今回の調査は、2026年9月に取得されたGeminiの100回答を分析したものです。
Geminiの具体的モデル名、GeminiアプリとAPIのどちらを使用したか、正確な実行日時、会話履歴、検索設定などは確認できません。
また、言及ランキングの356名称には表記揺れや一般カテゴリが含まれているため、「356の独立したジム・ブランドが登場した」という意味ではありません。
主要ブランドについては明らかな表記揺れを統合しましたが、356名称すべての正規化は行っていません。
さらに、今回は全回答を統一基準で「第一候補」「複数候補」「情報源」と役割分類していないため、本文言及数を推薦数として扱っていません。
前月までの比較可能なデータも今回入力されていないため、「増えた」「減った」「順位が上がった」といった月次変化については評価していません。
次月以降は、質問セットとモデル条件を可能な限り固定したうえで、参照元出現率、本文言及出現率、推薦出現率、テーマ別出現率を分けて追跡することで、AI検索上の可視性の変化をより正確に捉えられます。
調査方法・出典
Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、ジム・フィットネス業界に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、取得された100回答、検索発火状況、回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリ、参照URL・ドメイン、回答本文に登場した企業・ブランド・サービス等を分析しました。
シート間でNo.の並びが一致していないため、回答・検索クエリ・参照元の結合には質問本文を使用しています。
主要ブランドの表記統合では、同一ブランドと確認できる表記のみを統合し、回答単位で再計算しました。
出典:Queue株式会社「LLMOナビ ジム・フィットネス業界 AI検索可視化調査」(2026年9月)
