Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査では、賃貸、住宅購入、不動産売却、相続、不動産投資など個人向け不動産領域に関する100個の非指名質問をGeminiに入力し、回答に登場した企業・サービスと、参照元として記録されたWebページを分析しました。

ここでいう「非指名質問」は、特定企業やサービスを質問文で指定せず、「賃貸マンションを探すなら?」「家を売るなら?」「不動産投資を相談するなら?」のように目的から尋ねる質問です。

また本記事では、Webページが情報源として記録された状態を「参照元」、企業・サービス名が回答本文に出た状態を「本文言及」、実際の利用・相談候補として提示された状態を「推薦」と呼びます。今回の元データでは全対象の推薦役割を統一基準で判定していないため、主に本文言及を比較します。

調査では100回答中90回答でWeb検索が発火しました。さらに、100問全体で多く名前が出るサービスと、売却・相続・投資など具体的な目的で候補になる企業・サービスが同じとは限らないことが分かりました。

調査概要

項目

内容

調査主体

Queue株式会社/LLMOナビ

調査目的

個人向け不動産領域におけるGemini回答内の企業・サービス名と参照元の可視化

対象業界

個人向け不動産会社・不動産サービス

対象テーマ

賃貸、住宅購入、売却、査定、住み替え、相続、空き家、不動産投資など

対象AI

Gemini

調査設計上の質問数

100問

取得回答数

100回答

分析対象回答数

100回答

調査年月

2026年9月

非指名と確認できた質問数

100問

地域

JP

言語

日本語

Web検索発火

90回答

事前学習ベース

10回答

確認できなかった実行条件

Gemini詳細モデル、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴、個人化等

本記事で使う「参照元・本文言及・推薦」の読み方

「参照元」は、Geminiが回答生成時に使用したものとして記録されたURLやドメインです。

「本文言及」は、企業・サービス・ブランド名が回答本文に1回以上登場した回答を1件として数えます。同じ回答で何度繰り返されても1件です。

「推薦」は、利用、問い合わせ、査定、購入、相談などの具体的な候補として提示された状態です。

たとえば不動産情報サイトが回答生成時に参照されても、そのサイト自体が利用候補として本文に出るとは限りません。逆に、企業名が本文に出ても、その企業の関連サイトが同じ回答で参照されていないケースがあります。

この違いを分けて見ることが、AI検索上の可視性を理解するポイントです。

調査結果の全体像:100回答中90回答でWeb検索が発火

Queue株式会社のLLMOナビによる9月調査では、100回答中90回答でWeb検索が発火しました。

検索発火した90回答では、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリは合計381件。1回答あたり平均4.23件、中央値4件、範囲は3〜11件でした。

参照元は延べ1,216件、ユニークURLは1,022件、ユニークドメインは578件です。

検索発火回答1件あたりの参照元は平均13.51件でした。

一方、売却・査定15問では検索発火12/15、住み替え・相続・空き家・問題物件16問では12/16でした。

賃貸費用・条件等20問や不動産投資10問では全回答で検索が発火しており、質問テーマによって検索挙動にも違いがあります。

ただし、質問内容だけが検索発火の原因だったとは今回のデータだけでは判断できません。

個人向け不動産業界のAI検索回答の特徴と押さえるべきポイント

今回の100回答では、大きく4つの特徴が確認されました。

第一に、SUUMOやLIFULL HOME'Sなど、賃貸から購入・売却まで幅広い質問で登場するブランドがあります。

第二に、東急リバブルや三井のリハウスなど、100問全体でも比較的多く登場する売買仲介があります。

第三に、不動産売却、相続、不動産投資のように用途を具体化すると、100問全体の上位とは異なる企業・サービスが多く登場します。

第四に、関連サイトが多く参照されることと、企業・サービス名が本文に多く出ることは同じではありません。

つまり、不動産領域のAI検索可視性は「不動産会社 おすすめ」という一つの大きなランキングだけでは把握できません。

賃貸を探す人、住宅を購入する人、自宅を売却する人、相続不動産を処分したい人、不動産投資を始めたい人では、Geminiが提示する候補が変わります。

ブランド単位ではSUUMO39回答、LIFULL HOME'S30回答

回答本文を再集計すると、SUUMO関連のブランド表記は39/100回答で確認されました。

続いて、

  • LIFULL HOME'S:30/100

  • 東急リバブル:28/100

  • アットホーム:21/100

  • 三井のリハウス:20/100

  • 住友不動産販売:16/100

です。

SUUMOについては、SUUMO、スーモ、SUUMOカウンター、SUUMO不動産売却などの関連表記を「ブランド単位」の可視性として回答単位でまとめています。

したがって、この39/100は「SUUMOという一つのサービスだけが39回答で推薦された」という意味ではありません。

また、この順位は市場シェア、掲載物件数、成約件数、サービス品質を示すものでもありません。

あくまで、今回の100の非指名質問に対してGemini回答にブランド・企業名が登場した回答数です。

関連サイト参照と本文言及は対象によって大きく異なる

主要対象について、本文言及と関連ドメイン参照を同じ回答単位で比べると違いが見えます。

SUUMOブランド群は本文39/100に対してsuumo.jp参照31/100で、23回答では両方が確認されました。

LIFULL HOME'Sは本文30/100に対してhomes.co.jp参照36/100、両方は23回答です。

一方、東急リバブルは本文28/100に対してlivable.co.jp参照12/100、両方は10回答でした。

三井のリハウスも本文20/100に対してrehouse.co.jp参照11/100、両方は6回答です。

逆にHOME4Uブランド群は、本文10/100に対してhome4u.jp参照20/100で、関連サイトの参照回答数の方が多くなっています。

この結果から、「自社サイトがAIの情報源として参照されること」と「自社・サービス名が回答内で候補として出ること」を別々に測定する必要があります。

ただし、同じ回答で関連サイトと名称が確認されても、そのWebページが企業・サービス名を登場させた直接原因だったとは断定できません。

売却・査定15問では仲介会社と査定サービスが同時に候補化

「家を売りたい」「複数社に査定を依頼したい」「マンションを売却したい」といった不動産売却・査定15問では、

  • LIFULL HOME'S:9/15

  • SUUMOブランド群:7/15

  • 三井のリハウス:6/15

  • 住友不動産販売:6/15

  • 野村の仲介+:6/15

  • 東急リバブル:5/15

  • HOME4Uブランド群:4/15

  • イエウール:4/15

  • すまいValue:4/15

でした。

ここでは「実際に売却仲介を行う会社」と「複数の不動産会社へ査定を依頼するためのサービス」が同じ回答内に並ぶケースがあります。

AI検索上で競合を考える際には、同業の不動産会社だけを見ればよいとは限りません。

ユーザーの質問が「どの会社に売るか」ではなく「どうやって比較するか」に近づくほど、比較・査定の窓口となるサービスも候補になり得ます。

相続・住み替えでは東急リバブル、不動産投資では専門サービスが増える

「住み替え・相続・空き家・問題物件」の16問では、

  • 東急リバブル:6/16

  • 三井のリハウス:3/16

  • 住友不動産販売:3/16

  • 野村の仲介+:2/16

  • HOME4Uブランド群:2/16

でした。

100問全体で多く登場したSUUMOやLIFULL HOME'Sは、このテーマでは主要上位には入りません。

さらに「賃貸運用・管理・不動産投資」の10問では、

  • 東急リバブル:5/10

  • RENOSY:4/10

  • 日本財託:4/10

  • シノケンハーモニー:4/10

  • 東建コーポレーション:4/10

  • J.P.リターンズ:3/10

  • プロパティエージェント:3/10

となりました。

RENOSYや日本財託などは100問全体の本文言及上位ではありません。

それでも、不動産投資という目的を明確にした10問では4回答に登場しています。

この違いは、AI検索対策を「業界全体で何位か」だけで評価することの限界を示しています。

企業が獲得したい顧客が不動産投資を検討する人であれば、賃貸物件探しを含む100問全体の順位より、不動産投資に関する質問群での可視性を追う方が実務上の意味を持ちます。

AI検索対策で次に検証すべきこと

不動産会社・サービス事業者がまず行うべきなのは、自社が獲得したい相談テーマを分けて観測することです。

賃貸仲介であれば、

  • 一人暮らし

  • 初期費用

  • ペット可

  • 通勤時間

  • オンライン内見

  • 転勤

などを分けます。

売買仲介なら、

  • マンション購入

  • 戸建て購入

  • 不動産売却

  • 住み替え

  • 相続

  • 空き家

  • 共有名義

と分けるべきです。

不動産投資会社なら、

  • 投資用マンション

  • 利回り

  • 賃貸管理

  • サブリース

  • 収益シミュレーション

などを固定します。

そのうえで、

  1. 自社・サービス名が本文に登場した回答数

  2. 自社関連サイトが参照された回答数

  3. 実際の相談・利用候補として提示された回答数

  4. どの質問テーマで登場したか

を別々に観測します。

たとえば相続不動産向けページを改善した後、自社名が相続系質問で増えたとしても、そのページ改善だけが原因だとは1回の測定では証明できません。

同じ質問、同じAI、同じ地域と言語、同じ表記統合ルールを固定して再調査し、本文言及率や参照元出現率の変化を確認する必要があります。

調査の限界と次回検証

今回の調査は、2026年9月に取得したGeminiの100回答を対象とする単月観測です。

ChatGPT、Google AI Overview、AI Modeなど、他のAIサービスへ結果を一般化することはできません。

Geminiの詳細モデル、アプリ/APIの別、正確な実行日時、検索設定、会話履歴、個人化条件も確認できていません。

テーマ別の質問数は7〜20問と異なります。10問の不動産投資テーマで4/10だったからといって、そのサービスが市場全体で40%のシェアを持つことを意味しません。

またGemini回答には、物件数、提携会社数、仲介手数料、査定実績、利回りなど具体的な記述が含まれますが、今回の記事ではそれらすべてを各社の最新公式情報と一件ずつ照合していません。

本文言及数は、物件数、成約件数、売却価格、投資実績、顧客満足度、サービス品質を測ったものでもありません。

次月以降は、同じ100問、同じ8テーマ、同じブランド・サービス分類をできるだけ固定し、全体順位だけでなくテーマ別の本文言及と参照元の変化を追跡する必要があります。

Queue株式会社の無料現状分析|AI検索での自社・競合の露出を可視化

今回は個人向け不動産領域のAI検索回答を分析しましたが、Queue株式会社では、すでに800社が利用した企業ごとのAI検索における現状分析レポートを、即日・無料で作成しています。

レポートでは、貴社の事業やサービスに関連する質問に対する100個の非指名プロンプトのAI回答を分析し、以下の情報などをまとめています。

  • 自社の言及数:AIの回答内で、自社名やサービス名がどの程度登場しているか

  • 自社サイト参照ドメイン数:回答の情報源として、自社の保有するドメインがいくつ参照されているか

  • 競合の言及数:同じ調査対象の回答内で、競合企業やサービスがどの程度登場しているか

AIに情報源として参照されることと、企業・サービスとして紹介されることは異なります。両方の状況を確認することで、自社の露出状況や競合との差を把握できます。

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調査方法・出典

Queue株式会社が運営する「LLMOナビ」の2026年9月調査として、個人向け不動産領域に関する100個の非指名質問をGeminiに入力しました。

取得した100回答について、Web検索発火状況、回答本文、参照元URL・ドメイン、Geminiの回答生成時に使用されたものとして記録された検索クエリを分析しています。

本文言及は回答単位で集計し、日本語・英語・略称などの表記揺れを確認しました。ポータル、仲介会社、査定サービス、不動産投資サービスなど、回答内での役割が異なる対象は区別して解釈しています。

出典:Queue株式会社「LLMOナビ 個人向け不動産会社 AI検索可視化調査」(2026年9月)